JR九州では、小倉駅(北九州市小倉北区)から最短区間の切符(小倉-西小倉間、170円)を使った不正乗車、いわゆる「キセル」が相次いでいるとのことです。
遠方の無人駅で差額を支払わない手口が問題視されており、過去には期間限定で170円切符の券売機販売を停止するなどの対策も実施されました。
このJR九州の不正乗車は、もし発覚した場合どのような罪に問われるのでしょうか。
この記事では、JR九州の不正乗車の実態と、それがバレた場合に課される罪や今後の対策について詳しくご紹介します。
JR九州の不正乗車問題とは?
JR九州の不正乗車問題について詳しく見ていきましょう。
画像を使ってご紹介します。
最短区間の切符(小倉-西小倉間、170円)は、路線図上でこの位置にあたります。

以下JR九州の全体路線図の赤枠の部分です。

出典:JR九州公式サイト

JR九州では、全571駅のうち約6割にあたる338駅が無人駅だそうです。
これらの駅では、無賃乗車したり運賃をごまかしたりする利用者が後を絶たないとのことです。
そして、小倉駅では、最短区間の切符(170円)が1日に平均約300枚売れていたものの、実際に西小倉駅で回収されたのはわずか30枚程度だったことが明らかになりました。
つまり、残りの約270枚は、さらに先の無人駅まで不正乗車に使われた可能性があると考えられています。

約6割が無人駅という現状には驚きますが、300枚売れた切符のうち30枚しか回収できていない状況は、
想像以上に不正乗車が多いことを示しています。

経営効率化などが無人駅増加の理由だそうです。
これは、人件費よりも不正乗車被害額の方が安いと捉えられているのでしょう。
不正乗車の手段としては、以下の図の上に示すように、有人駅で初乗り運賃(170円)で乗車し、遠方の無人駅で差額を支払わずに降車する「ごまかし」と、下の図のように、無人駅から運賃を払わず乗車して別の無人駅で降車する「無賃乗車」があります。

出典:yahoo!ニュース
無人駅に設置されている改札機は簡易的なもので、開閉するゲートなどがなく、駅の内外を自由に通過できてしまう現状があります。

出典:yahoo!ニュース

確かに、監視の目がない状況では、簡単に不正乗車されてしまうでしょう。

そうなのです。まさに利用者の良心に頼っている状況です。
JR九州の不正乗車はバレる?
JR九州で不正乗車をした場合、発覚する可能性はあるのでしょうか。
どのような対策が取られているのか見ていきましょう。
現在の対策は?
現在、JR九州では不正乗車対策として、以下の取り組みを行っています。
- 社員が無人駅を中心に抜き打ちで見回っています。
- 小倉駅では、7月22日から8月10日までの期間、券売機での170円切符の販売を停止し、みどりの窓口か改札での対面購入が必要となりました。

期間限定の対面購入策が実施されたものの、根本的な解決策はまだ見つかっていないようです。
今後の対策は?
JR九州は、2022年3月から半年間、香椎線において人工知能(AI)を活用した不正乗車の分析に関する実証実験に取り組みました。
不正乗車が疑われる人が改札を通過する際に警報音を鳴らすといった活用策が検討されましたが、実用化には至っていません。

全ての無人駅に同様の対策を講じることは、コスト面で難しいと考えられます。
JR九州の不正乗車でバレたら罪になる?
ごまかしや無賃などの不正乗車が発覚した場合、鉄道営業法では、不正乗車をした人に対し、鉄道事業者が運賃の3倍以内の金額を請求できると定められています。
さらに、状況によっては以下のような罪に問われる可能性もあります。
| 罪名 | 根拠 | 量刑 |
| 鉄道営業法違反 | キセル乗車などの不正乗車をした場合 | 「1万円以上2万円以下の罰金」または「1000円以上1万円未満の科料」 |
| 建造物侵入罪 | 不正乗車をするつもりで駅構内に立ち入った場合 | 「3年以下の懲役」または「10万円以下の罰金」 |
| 軽犯罪法違反 | 不正乗車をする意図で駅構内に立ち入った場合には、建造物侵入罪のほかに、「軽犯罪法」にも違反する可能性がある。 |
拘留または科料拘留。「拘留」は1日以上30日未満、刑事施設に拘置する刑事罰。「科料」とは1000円以上1万円未満の金銭徴収のこと。 |
世間の声まとめ
不正乗車問題に対する世間の声をまとめました。




不正乗車が多発している現状を踏まえ、世間の声にはICカード設備の導入が初期費用は高くとも長期的に見れば有効ではないか、という意見が見られます。
運賃収入の減少によって赤字路線が増加し、廃線に至れば利用客にとって不利益となります。また、利用した区間の運賃を支払わないことは公平性を損なうため、JR九州には根本的な解決策を見つけることが求められています。
