2023年に世間を騒然とさせた市川猿之助さんの一家心中事件。
猿之助さんと縁が深い市川中車(香川照之)さんとの関係とお二人の屋号・澤瀉屋について、今後どうなるか注目されています。
今回は、市川中車(香川照之)さんと猿之助さんの関係を、澤瀉屋の家系図と歴史をご紹介して、今後どうなるかをまとめました。
【現在】市川猿之助の事件発生から保釈まで
市川猿之助の事件発生から逮捕までの概要
2023年5月18日に自宅で両親と共に倒れているのを女性マネージャーとマネージャー兼付き人の石橋正高さんが発見しました。
残念ながらご両親は亡くなられ、猿之助さんご自身は一命を取り止めました。
一家心中を図ったと見られています。
2023年6月27日、市川猿之助容疑者は母親に対する自殺ほう助の疑いで逮捕されました。
【家系図】市川中車と猿之助の澤瀉屋をわかりやすく解説
明治時代から130年以上続く澤瀉屋の初代は九代目市川團十郎さんの弟子でした。(九代目市川團十郎さんは成田屋で市川海老蔵さんが現在一三代目市川團十郎)
しかし、1874年に團十郎さんの許可が必要な「勧進帳」を無断で演じて破門になります。
90年に許されて猿之助を襲名して、長らく演じられていなかった演目「鎌鬚(かまひげ)」を復活させたという歴史があります。
初代の息子である二代目猿之助さん(初代市川猿翁さん)は1919年に当時では珍しい欧米視察をし、外国演劇の要素を歌舞伎に取り入れました。
戦後は古典と新作に意欲的に取り組み、55年には中国、61年にはソ連でも歌舞伎を上演。
その孫で、当代(四代目市川猿之助さん)の伯父である三代目(香川照之さんの父親)は、宙乗りを復活させます。
86年には「スーパー歌舞伎」を創始し、新たな歌舞伎の道を切り開きました。
澤瀉屋は革新的や新時代の歌舞伎という印象がありますが、このような歴史を知ると、それは納得できますね!
澤瀉屋の屋号の中には、中心となる家筋である宗家、同じ師匠・先生から学ぶ同門、弟子・教え子である門弟があります。
宗家 | 同門 | 門弟 |
市川猿之助(いちかわ えんのすけ) | 市川中車(いちかわ ちゅうしゃ) | 市川小太夫(いちかわ こだゆう) |
市川猿翁(いちかわ えんおう) | 市川蝙蝠(いちかわ こうもり) | |
市川段四郎(いちかわ だんしろう) | 市川右近(いちかわ うこん) | |
市川團子(いちかわ だんこ) | 市川笑也(いちかわ えみや) | |
市川龜治郎(いちかわ かめじろう) |
以下省略 |
同門の市川中車が香川照之さんです。
香川さんは、三代目猿之助さんの実子ですが、離婚により浜木綿子さんに引き取られて育ったので、歌舞伎から離れていました。
そこで甥である現在の猿之助さんに名跡したのでしょうね。
市川中車と猿之助の関係は?
市川中車さんの父親の故・市川猿翁さんと、市川猿之助さんの父親の故・市川段四郎さんが兄弟だからです。
市川猿翁さんが兄です。
市川中車と猿之助の澤瀉屋が危機的状況?
市川猿之助さんの事件後、澤瀉屋最大の危機と言われている理由をまとめました。
市川中車(香川照之)の後ろ盾が無くなる?
香川さんは猿之助さんの事件の一報を聞いて、号泣したそうです。
香川さんが市川中車を名乗って歌舞伎に挑戦した際に、サポートしたのが猿之助さんと言われています。
また、香川さんは2022年8月24日に過去の性加害疑惑を報じられました。
その後、謝罪もしていることから事実であったことがわかります。
本人の至らなさで当該女性に不快の念を与えてしまったことは事実です。ご指摘いただいたことを本人は深く反省し、今現在も自らの戒めとしております。お相手の方には、本人から深い反省と謝罪の気持ちをお伝えし、ご理解とお許しをいただいております
出典:所属事務所公式HP
この問題から歌舞伎に復帰できたのも猿之助さんの助けがあったようですね。
香川さんが、2022年の性加害問題から歌舞伎界に復帰できたのも、猿之助さんの尽力があってこそ。猿之助さんが歌舞伎界を離れることになれば、ほかに後ろ盾のない香川さんが、今後も歌舞伎役者として活動するのは絶望的でしょう」(歌舞伎関係者)
市川猿之助が1人で澤瀉屋の芸を普及する努力をしていた?
亡くなられた父の段四郎さんや伯父の故・市川猿翁さんが第一線から離れていたため、
猿之助さんが1人で澤瀉屋の芸を普及する努力をしていました。
香川さんは歌舞伎の世界に飛び込んでからまだ日が浅く、息子・市川團子さんとともに
猿之助さんから芸を学んでいました。
この事件をきっかけに猿之助さんが歌舞伎界から離れざるを得ない状況になった場合、
澤瀉屋の芸を伝える人物がいなくなってしまうことになります。
市川猿之助は子供がいない
今回の事件があって猿之助さんが再び歌舞伎の舞台に立つことが難しくなる可能性もありますが、
猿之助さんは独身で跡継ぎとなる長男がいません。
もともと、猿之助さんは事あるごとに“結婚はしない”と言っていました。
市川中車の息子・團子が跡取りといわれる理由
市川猿之助が主演の「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」の代役を務める
2023年5月3日から28日まで行われる猿之助さんが主演を務める「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」は、
猿之助さんの事件で中止かと思われました。
しかし、20日以降、弱冠19歳の市川團子さんが昼の部の代役を務めることになったのです。
中1日の稽古でしたが、堂々とした演技に終演時にはスタンディングオベーションが起こり、
さらにチケットも凄まじい勢いで売れて大盛況で千秋楽を迎えたといいます。
猿之助さんのピンチを救い、自身も所属する歌舞伎界の名門「澤瀉屋」の救世主となった今、
跡取りは市川團子さんといわれるのは当然かもしれませんね!
市川猿翁の直系は中車(香川照之)と團子
故・市川猿翁さん(三代目猿之助さん)は、歌舞伎界の大御所として澤瀉屋の家を率いていました。
事件前まで、澤瀉屋を名実ともに率いていたのは猿之助さんですが、故・市川猿翁さんの直系に当たるのは香川さん・團子さんです。
香川さんも、
父と同居している。猿之助の名前は140年続く。長男がいて、その船に乗らないわけにはいかない。
と言っていたようです。
現代でも歌舞伎は世襲制のため、團子さんが跡継ぎとなるのは自然なことですね。
市川猿之助も團子への「中継ぎ」のつもりだった
故・市川猿翁さんから襲名を持ちかけられたとき、猿之助さん自身も
いずれは中車の息子に返すとして、それまでは自分が継がせてほしい
との意思を示していたと澤瀉屋の事情を知る関係者は話しています。
しかし、襲名直前の親しい仲間での集まりでは、
團子がボンクラだったら継がせられない。今度は僕の意思で決める。(香川が継がせたがっていても)歌舞伎はそんなに甘いところではない。
とも言っていたようです。
関係者は團子さんが継ぐことは既定路線と言っているようですが、いろいろな事情で時間がかかりそうです。
「團子くんが継ぐのが既定路線ですが、まだ年若く、さらに襲名には四代目(現・猿之助)の承認が必要なため、彼が今後罪に問われた場合、時間がかかる。そこで香川さんの盟友で澤瀉屋の師匠筋にもあたる市川宗家の当代團十郎さんが團子くんの後見人となり、襲名までの間、支えていくそうです」(梨園関係者)
まとめ
将来、市川團子さんが猿之助さんの名前を襲名することになりそうですが、まだ若い團子さんは大きなプレッシャーがあると思います。
素直な性格ということですが、誠実そうで清潔感があって好感度が高いですね!
これからますます活躍が期待される市川團子さん、要注目です!
最後までご覧いただきありがとうございました。